■概要

当ギャラリーは、幕末に活躍した土佐藩重役の後藤象二郎(1838~1897)が寓居とした醤油商「壺屋」の跡地にあり、それを顕彰した展示や解説をしています。象二郎は坂本龍馬とともに「大政奉還」を提起し、幕閣や諸藩と調整して実現させた立役者であり、明治維新後も政府高官として各大臣を歴任し、伯爵に叙されました。当ギャラリーは「ホテルリソル京都 河原町三条」のエントランス脇にあり、どなたでも自由に無料で見学できます。             【ホテルHP

  

[肖像画(高知県立歴史民俗資料館蔵)]      [ギャラリー全景] 


■特徴

【史跡を顕彰し、歴史を継承】 

 開発によって埋もれかけていた寓居跡の石碑を新造し、駒札(京都市)を再建するとともに、坂本龍馬の勢威に隠れがちの「後藤象二郎」を顕彰しています。

【周辺史跡を紹介するメッセ機能】 

 この近辺は幕末の勢力図さながらに関連史蹟であふれています、それを当ギャラリーで紹介するので歴史散策に役立ててください。 

【唯一無二の内容】

 なるべくインターネットなどでの通俗的な解説とは異なった視点で、ほかにはない展示や解説にこだわり、それで歴史や偉人を顕彰します。

  

■見どころ

【ジオラマ】 

象二郎の寄寓していた「壺屋」を中心に、龍馬の寓居「酢屋」や舟入など、江戸幕末当時の界隈を再現しています。象二郎と龍馬との関係性が目視できるほか、なぜ龍馬が遭難した「近江屋」に寓居を移したのかも想像をめぐらすことができます。  



【撮影台】 

象二郎と龍馬が長崎の上野彦馬写真館で撮影した際に用いた共通の撮影台を復元しています。館内で記念写真をどうぞお撮りください。



【装飾宝刀】 

襲撃された英国公使を救った象二郎が英国女王から謝礼に贈られた装飾洋刀を製作しました。現物が所在不明だったため、ともに贈られた中井弘(第五代京都府知事)の同型宝刀(京都国立博物館蔵)を参考に製作しました。刃はなく、柄は象牙製で獅子をモチーフとし、獅子の口にダイヤモンドが嵌め込まれていたとの伝承があります。




【大政奉還建白書】 

幕末、前土佐藩主の山内容堂による大政奉還建白書につき、象二郎が他の家老と連署して建白の詳細を説明した副書について複製しています。



【漢詩】 

象二郎はよく人から揮毫(きごう)を頼まれたようで、その現存する自筆漢詩を展示しています。その性格そのままに豪放な筆致で、雄大な詩がしたためられています。



【書簡】 

幕末から明治以後にかけて象二郎は多くの自筆書簡を遺しており、そのうちの一点を展示しています。

【銅像写真】 

幼時からの親友、板垣退助が象二郎の死を悼み、芝公園(東京都港区)に建設した銅像の写真。作者は桂浜(高知市)にある龍馬像と同じく本山白雲です。戦時中の金属類供出で失われ、現存しません。


【天井画(白象)】 

当ギャラリーの天井に原在中の白象図(相国寺蔵)の模写を飾っています。象二郎の通称は「象」に意を込めて山内容堂から拝領したと伝えられます。



【醤油商「壺屋」】 

象二郎が寄寓していた家屋は、龍野(兵庫県)を醸造元とする醤油商「壺屋」のものでした。